大連に中国最大の国際ソフトウエアパークが着工

NEUSOFT、日本の有力IT企業と共同研究開発へ

中国最大のソフトウエア・ソリューション企業「NEUSOFT」(ニューソフト)グループは7月25日、「大連ソフトウエアパーク」との共同出資による「大連NEUSOFT国際ソフトウエアパーク」(中国・大連市)の大幅な拡張工事に着工し、国家情報産業部や遼寧省、大連市の政府関係者と企業代表計200名のほか「第1回中国遼寧日本週」を機に訪中している日本の「社団法人情報サービス産業協会」の代表も定礎式に出席、着工を祝賀しました。

同パークは、NEUSOFTの開発資源を基礎に、市場合作を通して世界の大手ソフト企業を誘致し、ソフト研究と開発、国内外市場の開拓、IT事業の普及と人材育成、中小企業への助成を一体化した国際協力拠点となります。企業にとって、同パークに入ることは、①研究開発、産業と人材の育成、中小企業インキュベーションの4機能を活用できる②協力各国の市場と顧客リソースを利用して全方位の販売サービス体制を構築できる――ことを意味します。

NEUSOFTソフトウエア研発(研究開発)基地、東北大学東軟情報技術学院(NEUSOFTなどが経営するIT専門大学)、国際合作産業区、中小企業インキュベーターなどからなる同パークは、12億人民元を投資し、45万平米の敷地に計26万平米の建物を建設する計画です。工事は3期に分かれ、第1期の研発基地と情報技術学院はすでに完成、使用されています。第2期と第3期の工事はそれぞれ2003年と2006年に完了する予定で、完成後の同パークは1.5万人を収容、年間販売額は3億米ドルに達すると見込まれます。

国際IT企業にとって、同パークは非常に良い投資機会であり、中国IT企業とのリソース共有を通して共に成長するという新たな発展モデルとなります。

定礎式に先立つ記者会見では、NEUSOFTグループの劉積仁総裁が「NEUSOFT大連国際ソフトウエアパークは、NEUSOFTとのリソース共有と国内外市場の共同開発を目指す国際協力パークである」「今や一企業が全ての競争要素を包容するのは不可能であり、『連合』は競争力不足を補い、より大きな発展空間を獲得する基本手段。製品の更新が速まり、品質への要求は厳しく、市場販売価格はますます安くなる情報時代において、国際協力はIT産業にとって唯一の選択肢だ」と述べています。

また、劉積仁総裁は、同パークに参加する国際IT企業は3つのメリットを享受できる、と述べました。第1に、NEUSOFTが提供する一流の人材と施設によって開発コストを低減し、製品の国際競争力を強化できます。東北大学東軟情報技術学院が毎年、パーク内企業にIT専門の卒業生を約2000人、またITや管理、日本語、英語の専門人材を約10000人(研修生など含む)提供できるためです。第2に、既存のソリューションやソフトがNEUSOFTによって中国市場向けに再開発されることで、中国市場の打開が容易になります。NEUSOFTは国内40以上の都市に販売・サービス拠点を持ち、政府や企業など3000以上の大型顧客を抱えるためです。第3に、NEUSOFTとの共同研究で新しいソフト製品を開発し、国際市場を拡大することができます。

遼寧省の夏徳仁副省長は「ソフト産業は、伝統的産業の改造と飛躍的な経済発展をめざす遼寧省にとって極めて重要である。遼寧省は今後も世界の有名IT企業の投資、合作、発展を積極的に支持する方針だ」と強調しています。

定礎式の席上、日本のカーエレクトロニクス大手、アルパインの沓澤虔太郎会長は、日本企業を代表して同パークの着工を祝賀しました。沓澤会長はNEUSOFTと過去10数年に渡り協力してきた経過を顧みると同時に、同社の先進的な自動車情報技術研究開発センターを大連NEUSOFT国際ソフトウェアパークに設置することを発表しました。また、ソフト開発分野で既にNEUSOFTと協力している日本の大手IT企業のソニー、東芝、NECソリューションズ、沖電気工業、大和総研なども同パークに参入することに興味を示しています。

 

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